セシウム (Cs)
アルカリ金属 · 固体 · 周期 6 · 族 1
元素の性質
- 原子番号
- 55
- シンボル
- Cs
- 原子質量
- 132.9055
- カテゴリ
- アルカリ金属
- 標準状態
- 固体
- 周期
- 6
- 族
- 1
- 電気陰性
- 0.79
- 原子半径
- 343
- イオン化エネルギー
- 3.89
- 電子親和力
- 0.47
- 酸化数
- +1
- 融点
- 301.59 K (28.44 °C)
- 沸点
- 944 K (670.85 °C)
- 密度
- 1.93
- 電子配置
- [Xe]6s1
- 発見年
- 1860
電子殻
[Xe]6s1
電子は核の周りに殻(主エネルギーレベル)で配置されています。この図は概略図であり、同じ殻の軌道は別々に描かれていません。
セシウムについて
セシウム (新ラテン語: caesium, 英: cesium [ˈsiːziəm]) は、原子番号55の元素。元素記号は、「灰青色の」を意味するラテン語のcaesiusカエシウスよりCs。軟らかく黄色がかった銀色をしたアルカリ金属である。融点は28.44 °Cで、常温付近で液体状態をとる5種類の金属元素のうちの一つである。セシウムの化学的・物理的性質は同じくアルカリ金属のルビジウムやカリウムと似ていて、水と−116 °Cで反応するほど反応性に富み、自然発火する。安定同位体を持つ元素の中で、最小の電気陰性度を持つ。セシウムの安定同位体はセシウム133のみである。セシウム資源となる代表的な鉱物はポルックス石である。セシウムは、ウランの代表的な核分裂生成物である。放射性同位体のセシウム137は比較的多量に発生し、核兵器の使用や原発事故時の放射性降下物に含まれるため放射能汚染の原因となる。2人のドイツ人化学者、ロベルト・ブンゼンとグスタフ・キルヒホフは、1860年に当時の新技術である炎光分光分析を用いて鉱泉からセシウムを発見した。初めての応用先は真空管や光電素子のゲッターであった。1967年、セシウム133の発光スペクトルの比振動数が国際単位系の秒の定義に選ばれた。それ以来、セシウムは原子時計として広く使われている。1990年代以降のセシウムの最大の応用先は、ギ酸セシウムを使った掘穿泥水である。エレクトロニクスや化学の分野でもさまざまな形で応用されている。放射性同位体であるセシウム137は約30年の半減期を持ち、医療技術、工業用計量器、水文学などに応用されている。
発見の経緯
発見: 1860 · Robert Bunsen
1860年、ドイツの化学者グスタフ・キルヒホフとロベルト・ヴィルヘルム・ブンゼンがバート・デュルクハイム(en:Bad Dürkheim)の鉱泉の水から発見した。セシウムはキルヒホフとブンゼンが分光器を発明してからわずか1年後に発見された初めての元素であった。セシウムの純粋な試料を得るためには、44,000 Lの鉱水を蒸発させて240 kgの濃縮塩溶液を作らなければならなかった。分離過程は以下のようなものである。まずアルカリ土類金属は硫酸塩もしくはシュウ酸塩として沈殿分離され、溶液中にはアルカリ金属類が残された。次に硝酸塩へと変換してエタノールで抽出することで、ナトリウムを含まない混合物が得られた。この混合液から、リチウムは炭酸アンモニウムによって沈殿させて分離された。カリウム、ルビジウムおよびセシウムはヘキサクロリド白金(IV)酸によって不溶性塩を形成させた。これらのヘキサクロリド白金酸塩は、温水に対してわずかに溶解性の差異を示す。したがって、溶解性の低いセシウムおよびルビジウムのヘキサクロリド白金(IV)酸塩 ((Cs,Rb)2PtCl6) が分別晶出によってわずかに得られた。水素によるヘキサクロリド白金酸塩の還元の後、セシウムとルビジウムは炭酸塩のアルコールに対する溶解度の違いによって分離された。この過程によって、44,000 Lの鉱水から、9.2 gの塩化ルビジウムと7.3 gの塩化セシウムが得られた。キルヒホフとブンゼンの二人は、このようにして得られた塩化セシウムを用いてこの新しい元素の原子量が123.35であると推定した(現在一般に認められている値は132.9である)。彼らは塩化セシウムの電気分解によって単体のセシウムを作ろうとしたが、金属の代わりに、肉眼での観察においても顕微鏡での観察においても金属物質であるというわずかな痕跡も示さない、青色の均一な物質が得られた。その結果、彼らはこれを亜塩化物 (Cs2Cl) であるとしたが、実際には恐らくコロイド状の金属と塩化セシウムの混合物であった。水銀アノード電極を用いた塩化物溶液の電気分解では、水の存在下ですぐさ
用途と応用
現代でのセシウムの主要な用途のうちの一つは、石油採掘産業におけるギ酸セシウムを使った掘穿泥水である。ギ酸セシウム水溶液 (HCOO-Cs+) は水酸化セシウムとギ酸との反応によって作られ、1990年代半ばに油井を掘削する際の仕上流体として開発された。掘穿泥水は油井を掘る際に用いられる溶液であり、これを掘削ドリルから噴出させて地表へと循環させることで地層を掘り進める際に発生する土砂を地表へと運びだし、常に掘削ドリルから噴出させることで、刃先の冷却と潤滑を行なって掘削効率を向上させる。同時に、採掘抗がこの溶液で満たされることによって適度な内圧が保たれ、採掘抗の崩落を防ぐとともに地下水の混入を防ぐなど、油井の掘削に欠かせない様々な機能が要求される。ギ酸セシウム溶液はこのような特性要求を十分に満たしている。ギ酸セシウム溶液の密度は最高2.3 g/cm3と高い。また、ギ酸カリウムもしくはギ酸ナトリウムと混ぜ合わせることで、密度を1 g/cm3まで低下させることができる。他の多くの高密度な溶液に用いられる物質と違い、ギ酸セシウムは相対的に環境負荷が小さい。高密度であるために掘削流体中の有毒な浮遊物質の使用量を低減でき、また、多くのセシウム化合物がそうであるようにギ酸セシウムの反応性は比較的穏やかであるなど、環境的に大きな利点を有する。さらに生分解性であり、使用後にそのまま埋め立てることもできる。ギ酸セシウムはコストが高い点(1バレルおよそ4,000ドル、2001年)が欠点であるが、リサイクルの可能性も検討されている。また、臭化亜鉛 (ZnBr2) のような腐食性の高密度塩溶液と比較して、アルカリ金属のギ酸塩は扱いが安全であり、その腐食性の低さに起因して設備などの生産編成や採掘抗の金属素材に損傷を与えない。それらの要素はまた、使用後の洗浄と処分のコストがより少なく済むことも意味している。セシウム133はセシウム原子時計の基準点に使われる。その時間は、セシウム133の超微細準位における電磁気的な遷移の観測によって決定される。最初の精密なセシウム原子時計は、1955年にイギリス国立物理学
同位体
セシウムは112から151までの幅の質量数(すなわち、原子核中の核子数)を持つ39種の既知の同位体を有する。これらの内のいくつかは、古い星の中での遅い中性子捕獲プロセス(s過程)ならびに超新星爆発時(r過程)に軽い元素から合成される。しかしながら、唯一の安定同位体は78個の中性子を持つセシウム133のみである。セシウム133は+7/2と大きなスピン角運動量を持っており、この同位体を利用してNMR測定による構造解析が行われる(磁場強度11.74 Tのとき共鳴周波数65.6 MHz)。放射性同位体であるセシウム135は230万年という非常に長い半減期を有しており、セシウム137およびセシウム134はそれぞれ30年および2年という半減期である。セシウム137はベータ崩壊によって短命なバリウム137mに壊変し、その後非放射性のバリウムとなる。セシウム134は直接バリウム134に壊変する。質量数129、131、132および136の同位体は、半減期が1日から2週間の間であり、他の大部分の同位体の半減期は2–3秒から数分の1秒である。少なくとも21種類の準安定な核異性体が存在する。3時間未満の半減期を持つセシウム134m以外は非常に不安定で、2–3分以下の半減期で崩壊する。同位体元素のセシウム135は、ウランの核反応によって生成する長寿命核分裂生成物の一つである。しかしながら、セシウム135の前駆体のキセノン135は非常に中性子を吸収しやすく、また、しばしばセシウム135に壊変する前に安定同位体であるキセノン136に変わるため、たいていの原子炉においてその核分裂収量は減少する。セシウム137はバリウム137mへとベータ崩壊するため、ガンマ線の強い発生源である。セシウム137はストロンチウム90と同様に主要な中寿命核分裂生成物となる。これらは使用済み核燃料の放射能の原因となり、使用後、数年から最高で数百年間の冷却を必要とする。例えば、セシウム137とストロンチウム90は現在、チェルノブイリ原子力発電所事故の周囲の地域で発生している放射能の発生源の大部分を占めている。セシウム137は中性
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よくある質問
セシウムの原子番号はいくつですか?
セシウムの原子番号は55で、原子核内の陽子の数に等しくなります。
セシウムの原子量はいくらですか?
セシウムの原子量は約132.9055 uです(炭素-12原子量の12分の1を基準とします)。
セシウムの電子配置はどうですか?
セシウムの電子配置は[Xe]6s1です。
セシウムは周期表のどこにありますか?
セシウムは第6周期、第1族に位置します。
セシウムはいつ発見されましたか?
セシウムは1860に発見されました。